何度か当ブログでお伝えしております、全戻しがあったときのリスク。
全戻しがあれば、その後レンジ相場へ移行もしくは、トレンド転換の恐れもあるので、エントリーするのはリスクがあります。
しかし、ある条件をクリアすれば、トレードは可能になります。
先週のチャートの振り返りをしている際にドル円でその良い例を見つけたので、解説していきます。
監視ペア(ドル円・ユーロドル・ポンドドル・オージードル・ドルカナダ)の1週間のチャートの振り返りも行っていきます。
全戻しが生じたときのトレード戦略
ドル円の1時間足チャートになります。
一旦上昇も、反転下落し、安値まで売られダブルボトムの形になっております。
良くFXの教科書に、ダブルボトム、ダブルトップは、トレンド転換の合図で有用なチャートパターンですと書いておりますが、実際は勝率はよく有りません。
このドル円の場合は、後で説明しますが、上位足の方向に素直に動きましたが、例えばポンドドルの今の4時間足チャートで説明すると
全戻しがあった後はレンジ相場に移行しております。
こちらはユーロドルの1時間足ですが、高値を超え、上昇ダウへ転換後、全戻しがあり、ダブルトップから安値を割り、再度下降ダウへ転換しています。
何か良い例無いかなと思ってチャートをさっと見ても、これだけ全戻しからのレンジ、トレンド転換の結果が揃ってます。
全戻しがある場合は、要注意ということがおわかりになるでしょうか?
ですので、いくら上位足が例えば買い目線であっても、下位足で売られ、全戻しに遭いダブルボトムになって、「よし、買いだ!」と買っても、その後レンジで思うように伸びず、微益に終わったり、安値を割って損切りに合うことが非常に多くなります。
これは上位足と下位足の方向が逆で、更に直近では下位足の勢いが大きいことが理由です。
だから、全戻しが生じた場合に、その後どうトレードシナリオを立てれば良いのか?と言うと、下位足の動きがしっかり止まり、上位足の方向に動き出すことを確認してトレードすることが肝心です。
では、前述のドル円チャートを再度見てみましょう。
後でドル円のチャート振り返りで説明しますが、日足は上昇トレンドで買い目線。
4時間足レベルで高値超えで、上昇ダウ転換した後、全戻し。
しかし、その後、1時間足で安値切り上げ後、ダブルボトムで1時間足の売りが止まったことを確認してから、揃った高値を超えて、上昇ダウへ転換し、上位足の方向と一致し、一気に上昇していきました。
丁度、この時、米FRB議長のパウエル発言でドル高になった訳ですがテクニカル的にも上がる理由はあったわけです。
全戻しがあったときは、上位足と逆方向に動いている下位足の動きが止まったことを確認して、上位足の方向にエントリーです。
ドル円 チャート振り返り(23/03/06-10)
日足は一気の上昇。4時間足は高値をハッキリ超えずレンジっぽいが上目線。
そして1時間足では前述の通り、全戻しの後、安値切り上げ、ダブルボトムから上昇。カウンタートレンドライン超えエントリーチャンスで、リアルでも見ていたのですが、損切りが大きいなと思い、カウンタートレンドライン超えで少々保ち合ってくれての上昇を取ろうと待っていたら、大きく上昇してしまい取り逃し。これは残念でした。
その後日足の節目に抑えられ、大きく下げ全戻し。日銀政策金利発表で戻しましたが、その夜の雇用統計をきっかけに大きく下げ。
ここに全戻しからのトレンド転換の良い例ありましたね。
まあ、こういうことです。
私も安値切り上げあったので、買い目線で見てましたが、雇用統計直前と損切り幅大きいので手を出しませんでした。
日足の節目に抑えられたのが大きいですね。そこから4時間足レベルでもトレンド転換してきました。
雇用統計の下げと言ってもテクニカルでこの下げは充分説明出来ますというか、大口投資家はそういう目線でトレードしていたわけです。
ユーロドル チャート振り返り(23/03/06-10)
ユーロドルは、日足で長期カウンタートレンドライン、安値割れで戻り待ちも、過去の安値に支えられ反発上昇。
4時間足では、安値+トレンドライン割れで戻り待ちも、上記の通り、日足の安値で支えられ反発上昇で、高値超えで押し目待ち。
1時間足では、月曜の上昇は、1時間足でも上昇途中で手を出さないほうが正解。結果伸びても仕方なし。
金曜日も押し目、待ち狙うも、雇用統計をきっかけの急騰は流石に手が出せない。
なので、この週は手を出せないと判断します。
ポンドドル チャート振り返り(23/03/06-10)
ポンドドルは、日足はレンジ気味。
4時間足では前半までレンジ相場内で、火曜日の大きな下げは私の場合は取りに行かない。
レンジの安値を割り、その安値抑えからの鉄板売りパターンを考えていたが、日足の安値に支えられ上昇。
ダラダラ上昇していたので、明確な4時間足の高値も出来ず、取りにくい上昇だったのだが、レンジの安値で抑えられていた影響で、三角保ち合いができ、保ち合いを超えたところからはエントリー可能だった。
オージードル チャート振り返り(23/03/06-10)
オージードルは日足は、長期トレンドライン+安値割れで戻り待ち。
4時間足では三角保ち合いが出来、この保ち合い抜け方向へのトレードが鉄板。
しかし、この三角保ち合いの下抜けのきっかけが、政策金利発表で、エントリータイミングは無かった。
その後は、伸び切った後で敢えてエントリーするところは無し。
ドルカナダ チャート振り返り(23/03/06-10)
ドルカナダは、同じ資源国通貨のオージードルと逆相関の動きをすることは、知っておいた方が良いです。
日足は高値超えで押し目待ち。
4時間足で、前述のオージードルと同様に、三角持ち合い。
しかし、高値切り下げが気になり、売り目線で見ていた。
そして1時間足チャートをご覧いただければ、わかりやすいのですが、4時間足レベルの三角保ち合いの中に、1時間足レベルの三角持ち合いが出来ました。
チャートは、フラクタル構造になっており、上位足の値動きの中に、下位足で上位足と同じチャートパターンが出来上がりやすくなってます。
これも基本中の基本ですが、初心者の方はしっかり覚えておいて下さい。
来週のネタは、このフラクタル構造のお話です。
ただ、この三角持ち合いの上抜け、リアルでチャート見ていたのですが、売り目線で見ていたのでスルー。
これは失敗ですね。
日足の上昇が一旦止まり、保ち合いが続くことで、押し目として相場参加者は見ていたということになります。
三角保ち合いは、通常のレンジ同様、抜けた方向に優位性あるので、当然下抜けも考えられたのですが、日足の方向を考慮したら、張るのは上でした。
このようにしっかりチャートを振り返って、自分のチャートの見方、エントリーを見直すのは、トレーダーとしての嗜みであり必須だと思ってます。
プロのピアニスト、毎日鍵盤に向かうのと同じ様に、チャートに向き合わないと上手くならないと思います。
是非、みなさまも1週間に一度、相場の止まっている土日に、見直して下さい。